
北海道警察によると昨年までの5年間で、歩行中の交通事故による死傷した小学生は全道で327人で、このうち24%の77人が飛び出しが原因だった。また、学年別では1・2年生が186人と最も多く全体の57%を占めているとのこと。これは全国的な傾向で、乳幼児期は保護者と一緒に出歩いていたのが小学生になり、子どもだけで行動する機会が増えたことや、視野の狭さ(大人の60%)が要因と言われています。
これまで函館市内の幼稚園や小学校では、子どもを交通事故から守るため交通指導員や保護者の協力を得ながら、様々な機会を捉えて交通安全指導を実施してきています。
ここでは、大分県大分市が作成した幼児・児童交通安全教育指導テキストを参考に、子どもを交通事故から守るための指導内容を紹介しますので、各園・各校・各ご家庭で活用いただければ幸いです。
子どもに指導してほしい項目
1. 道路に飛び出しません
2. 信号は、青の時だけ、渡ります
3. 道路を渡るときは、必ず一度止まって、手を上げて、右を見て、左を見て、もう一度右を見て、車が止まったら、渡ります
4. 道路を歩くときは、右の端を歩きます
1. 道路に飛び出しません
① 飛び出しに気を付ける場面
(1)「狭い道路や曲がり角から広い道に出るときは止まりましょう」
横断歩道だけでなく、左右の見通しが悪いところでは止まって左と右から車が来ていないか自分の目でよく見るようにしましょう。
(2)「敷地から道路に出るときは止まりましょう」
建物や公園から道路に飛び出して車にはねられる事故に遭わないためです。
※子どもの発達の特性として「興味や関心のあることに集中してしまと、例えば道路の向こうに友だちがいると、そこへ行くことが車への注意より優先される」。しかも、子どもの視野は大人の6割ほどと狭く接近する車が視野に入らないので、飛び出し禁止の指導徹底が重要!!

2. 信号は、青の時だけ、渡ります
① 車両用信号と歩行者用信号の説明
車両用信号…青は「すすめ」赤は「とまれ」黄色は「よく見てとまれ」
歩行者用信号…青は「すすめ」赤は「とまれ」青が点滅しているときは「よく見てとまれ」
② 各信号表示の説明
・歩行者用信号が青の時だけ渡ります
・青の時でもすぐに飛び出してはいけません。信号を守らない車がいるかもしれないので、 左右から車が来ていないかよく見てから渡りましょう。
・青が点滅のときに渡ると、途中で赤信号に変わってしまい車が来て交通事故に遭うかもしれないので、渡らずに、次の青信号まで待ちましょう。
・横断中に点滅が始まったら、安全を確認しながら速やかに渡ります。

3. 道路を渡るときは、必ず一度止まって、手を上げて、右を見て、左を見て、もう一度右を見て、車が止まったら、渡ります
① 道路の横断に関するルール
・横断歩道の利用…付近に横断歩道があれば、横断歩道を利用すること
・斜め横断の禁止…歩行者は、斜めに道路を横断してはならない
・車の目の前を横断することの禁止…歩行者は、車両の直前・直後を横断してはならない
② 安全確認の実施要領
・幼児が確実な安全確認を身につけるまでは、横断する際、青信号でも一度立ち止まるよう に習慣づけましょう
・横断前は、(児童の歩幅で)3歩下がった位置で待機しましょう
・横断するとき、必ず安全確認をする習慣を身につけさせましょう
・安全確認は、単に顔を左右に向けるのではなく、接近してくる車を見つけるために実施するものと、理由まで教えましょう
③ 車の停止を確認してから横断すること
・接近する車を見つけた場合は、慌てて横断せず、車の動きをよく見るよう指導します。車だけでなく、運転手の顔も見て、こちらに気付いているのか判断しましょう
⇒車が停止した場合
車が完全に止まること、運転手がこちらを見ていることを確認できたら、お礼をして、手 を上げてから渡りましょう
⇒車が止まらなかった場合
慌てて横断せず、もう一度安全確認をして、車が止まる、または、いなくなるまで待ちましょう
④ 横断する際は、手を上げて左右を確認しながら渡ること
◎手を上げる…背の低い子どもでもドライバーから見えるよう「少しでも目立つため」と、道路を「ぼく、わたし渡ります」と車の運転手にお知らせするためです
※ 車を停止させるための合図ではありません
手を上げたからといって、車が必ず止まるとは限らないことを指導してください
◎左右を確認しながら渡る…右折左折する車や前を見ていない車が来る場合もあるため、横断中も車に警戒するように教えます

4. 道路を歩くときは、右の端を歩きます
① 歩道のない場所では右側通行(右側通行のルール)
歩行者は、歩道(幅の十分な路側帯)のない道路では、右端に寄って通行すること
(幅の十分な路側帯とは、幅が1m以上ある路側帯のことをいいます)
◎「なぜ左ではなく右側通行なのか?」
・左側通行した場合、背後から接近して来る車に気付くことができず、背後から来る車の
動きも見えないため危険です
・右側通行の場合は、車が対向から来るため、車の動きや運転手の表情を見ることができ、危険回避することができます
② 歩道がある場所では歩道通行(原則は歩道通行)
歩行者は、歩道と車道が区別されている道路では、歩道(路側帯)を通行すること。

≪駐車場を歩くときの約束≫
・駐車場は車を停める場所です
・駐車場では道路と違い車が不規則に動くため事故に遭いやすくなります
・駐車場を歩くときは、一人で歩かず、一緒にいる保護者と手をつないで歩きましょう
・車から降りるときも、一人で先に行かず、保護者がドアを開けてくれるのを待ってから、一緒に行きましょう
※駐車場での事故は交通事故全体の3割を占めています!
≪園外保育・校外活動の注意点≫
★園外・校外活動にあたって
・安全なコースを選定する
※安全なコース…歩道がある、歩道の幅が広い道路、信号機のある横断歩道
※安全な歩道の順位…①ガードレールのある歩道 ②歩道 ③白線のある路側帯の内側 ④車道の右側
・目立つ服装で
暗い色の服装は目立ちにくいためドライバーからの発見が遅れる原因になる
★歩くとき
・列の前後は間隔をあけないようにする
・狭い道路で車が通過するときは、できるだけ建物側に近づいて立ち止まる
・道路の端(歩道内の車道から遠い方)を歩く
★交差点で信号を待つとき
・交差点内の交通事故で、車が歩道に突っ込んで来るかもしれないので
信号待ちをするときは
①交差点から離れる
②車道から離れる
③ガードレールなどの安全施設に隠れる
★道路を横断するとき
・信号のある交差点を横断する場合
①信号が青になっても周囲の車の状況を確認して渡る
②歩行者用信号の青が点滅し始めたら、無理に渡らないようにする
③横断中、子どもを誘導する人と横断歩道の中央付近で車からの安全に気をつける人など役割分担をする
・信号のない交差点を横断する場合
①必ず先生が先頭になり、安全確認をする
②先頭の子どもの動きに注意する
子どもの安全を守るためには、その日の季節や天候、時間帯に合わせた具体的できめ細やかな指導が重要。
家庭では、上記した『4つの約束』を参考にし、日ごろから交通安全への意識を高め、交通ルールやマナー、交通安全について親子で積極的に話し合う機会を作りましょう。
★お勧めの交通安全教材★
小学生向け 交通安全教育ムービー(JA共済編集)
https://social.ja-kyosai.or.jp/safety2
最後に…
2020年11月からスタートした【あつまさ先生の道しるべ】。
今回の第57回目をもって最終回となりました。
小学校長・幼稚園長としてのご経験、そして父・祖父としての温かな視点から、
幼児教育の大切さや楽しさをたくさん教えていただきました。
連載は一区切りとなりますが、
これからもままっち!の良きアドバイザーとして見守ってくれるあつまさ先生。
長い間ご覧いただき、そして支えてくださり、本当にありがとうございました!



